3.11から馬入へのベクトル
震災後二週間が経ちました。
俺自身は、大学・大学院通じての専門として「防災」をやってきたため、東北・関東大震災について、過去の研究や学習を思い返したりしながらアカデミックな分野の限界や可能性を再度考えられるくらいにまで落ち着いてきました。関東大震災では木造家屋の不燃化政策に至り、阪神淡路大震災では家屋倒壊がないように耐震化政策に至りました。今回は津波対策と原子力発電所対応でしょうか。暢気な言い方をすれば、こうやって国や国民が強くなるしかないとも思っています。
さてさて。
そういった路線での真面目モードでもいくらでも書きたいこともあるのですが、今日は「湘南ベルマーレチャリティーフィールド ~絆~」が馬入ふれあい運動公園(平たく言うとベルマーレの練習場)で行われました。
ミニサッカー場が7面くらいあったり、フラフープとか大縄があったり、エアロビクスみたいなダンス教室があったり、それはそれは楽しくて楽しくてたまらないものでした。あんなにトップ選手の一挙手一投足にツッコミをするような距離感ってのはなかなかないです。6vs6のミニゲームなのに、小澤雄希がシュートしそうなときだけアジエルが勝手にGKに入ってシュートブロックして挙句の果てに退場するw とか、試合終了のホイッスルが鳴った後に一般参加選手のシュートが巻佑樹に当たって巻佑樹キレるのを止める大井健太郎w とか、巻に肩車されて大井のクロスをスーパーヘディングシュートかます臼井幸平とか、「おい、水もってこい!」という声に走っているR太とかw、というネタ満載のミニゲームをゴール裏で楽しませてもらいました。
チャリティイベントが楽しい?
被災した人を差し置いて?
うーん、乱暴ですが、小難しいことを置いておくことも大事なんだと思ってます。
大きな被害がない地域は、そのときはそのことを楽しむっていう意識転換が必要な時期にきていることを認識しなくちゃいけないと思います。それを思い知らさせてくれた有意義なイベントだったと思いました。極論を言えば、世界で飢餓に悩んでいる国っていうのはたくさんあるけど、少なくとも俺は胸を痛めるほど毎日そのことに意識を回せていません。そのなかで、社長が言っていた、経済を回す、そのために平塚駅前で飲み食いしろ、それが今できることなんじゃないか、ってのは至極真っ当な主張だと思っています。
だからこそ、最初に社長が、最後に祐三さんが言っていた「このイベントで終わるわけではなく」っていう東北・関東地方の被災者へ意識を、少なくとも今日参加した俺たちは絶対に忘れてはいけないんだと思います。そして、被災地への想いと共に、これからもずっと想っていこうぜってのを「絆」って人文字で表したって俺は解釈しています。
小田原出身の俺的には、大地震は69年周期来るという河角理論に則って小田原・伊豆・静岡地区への地震の危険性を危惧して育ったので、そういった意味では湘南地区がいつ同じ立場になってもおかしくないと思っていますし、むしろ先にそういう立場になるものだと思い込んでいました。実際はそんなことなかったってのがこの10年間の一つの解答になってしまったわけですが・・・。
これから職業の確保や、集団避難や、防災集団移転の問題が出てきます。
関東圏はどのように対応するのか・受け入れるのか、非常に気になります。そういった人たちに郷里への想いと共に、移り渡った土地への愛着も多少ならずとも持ってもらいたいなと思っています。これもまた暢気な考えですが、そんな時に今日みたいなスポーツを通じてってのが一つのツールになってほしいと思っています。それができる素地が湘南ベルマーレにあることを実感したってのもあるんですけどね。
結局、小難しいことになってしまいましたね。
サッカーを通じてこんなことができたことが、変な表現ですけど嬉しかったってのが一番大きな感情です。